料理人の教科書

考え方まかない・大量調理

本物のまかないは、何をくり返しているか

  • 本物のまかないの中心は、特別な料理ではなく家庭料理の定番
  • 同じ料理を、端材と工夫を変えながら何十回もくり返している

くわしく

ある一流店の約4年分のまかない(約900回)を、料理の名前で数えた(おおよその回数)。

回数料理読み取れること
88菓子(金曜のスイーツ)毎週金曜はパティシエがまかないの菓子を作る。営業で余ったガナッシュや果物の切れ端を使う
70パスタ(ボロネーゼ・ラグー・端材のパスタなど)魚や野菜の端、チーズの端、パスタ生地の端を一度に使える。いちばん「端材向き」の型
40揚げ鶏(唐揚げ・ザンギ・竜田揚げなど)まかないの鉄板。下味(卵白・砂糖で保水)と二度揚げの工夫が多い
29チョウザメキャビアを取ったあとの身を、フライ・あんかけ・照り焼きなどにして使い切る
27麺類(ラーメン・冷やし中華・そば・うどん)営業で出たガラでスープを取れる
25トマト煮込み鶏・豚・魚。脂を半分残し、仕上げの酢で締める型
25ハンバーグ・つくねつなぎ(卵白・豆腐・とろろ)で食感を変える
24照り焼き皮を焼いてからたれをぬってオーブン
24麻婆豆腐豆腐の水切り、調味料を入れる順番、毎回少しずつ変える
24クリーム煮・フリカッセ・シチューかぶの皮や余ったリゾットでとろみ
20前後鯖、生姜焼き、コロッケ・メンチカツ、酢豚、とんかつ、カレー、グラタン、丼もの、親子丼家庭料理の定番を、大量調理向けに工夫する

まかないの中心は、特別な料理ではなく、家庭料理の定番だ。同じ料理が何十回も出てくる。そのたびに作る人が少しずつ工夫を変えている(親子丼だけで18回。大人数で作る工夫は 「誰がよそっても同じ」にする と 親子丼 を参照)。

なぜそうなるのか

  • 献立は「端材が先、料理があと」で決まることが多い。キャビアのチョウザメ、かぶの皮、ピーナッツの搾りかす、コンソメのあとの牛すじ
  • 卒業する人・最後の出勤の人・疲れている週末・暑い日など、「その日に食べる人」に合わせて料理が選ばれている
  • 甘いものが毎週ある。仲間を元気にするのもまかないの役目

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