
まかない ・ 和 ・ 汁
鶏のお吸い物
鶏もも肉の皮目だけに塩をして、皮目だけを香ばしく焼く。その脂でねぎとしいたけを焼き、昆布の水で煮て、薄口醤油で澄んだ吸い地に仕上げる。だしをとらずに、鶏と野菜のうまみで作る。ちらし寿司やみぞれ煮の日の、軽い温かい汁。
材料 10人前
鶏と野菜
- 鶏もも肉400g約1.5枚
- 塩(皮目に)2g
- サラダ油少々
- 長ねぎ100g約1本
- 生しいたけ100g約6.5個
汁
- 水2L
- だし昆布20g
- 酒100ml
味
- 薄口醤油70ml
- 塩少々
仕上げ
- 三つ葉30g
- 柚子の皮少々
作り方
昆布を水に浸ける
寸胴鍋に水と昆布を入れ、30分以上おく。
ここがポイント- だしをとらずに、水と昆布で煮る
鶏とねぎ、しいたけからうまみが出るので、昆布の水で煮れば、だしをとらなくても十分おいしい。昆布は長く煮ると、ぬめりと昆布のにおいが出るので、沸く直前に取り出す。かつおと昆布の一番だしで作ると、さらに上品な吸い物になる。
- だしをとらずに、水と昆布で煮る
鶏の皮目だけに塩をして、皮目だけ焼く
鶏もも肉は、軟骨や骨が残っていれば包丁で取り、切らずに塊のままにする。皮目だけに塩をふる。フライパンにサラダ油を少し入れて中火で熱し、皮目を下にして入れ、皮がきつね色になるまで2〜3分推測焼く。身のほうは焼かない。バットに取り出す。
ここがポイント- 塩は皮目だけ。皮目だけを軽く焼く
皮目に塩を当てると、塩と脂の膜ができて、きつね色に焼けやすく、フライパンにもくっつきにくい。身に塩が入ると、うまみが抜けてしまうので、身にはふらない。皮目を焼くと、香ばしさと脂の甘みが汁に移る(鴨でも同じで、皮目だけ焼いて甘みを出す)。焼くのは皮目だけ、軽くでよい。焼きすぎると、身がかたくなる。

鶏の皮目だけを焼く - 塩は皮目だけ。皮目だけを軽く焼く
鶏の脂で、ねぎとしいたけを焼く
長ねぎは3cm長さに切る。しいたけは軸を落として薄切りにする。鶏を焼いたフライパンを弱火にし、残った脂でねぎを転がしながら、きつね色になるまでゆっくり焼く。しいたけを加えて、さっと焼く。
ここがポイント- 鶏の脂で、ねぎとしいたけを焼く
鶏を焼いたあとのフライパンに残った脂と塩で、ねぎを弱火でゆっくり焼くと、甘みが増す。しいたけは、余分な水分と脂を吸って、うまみを出す。煮る前にひと手間かけて味を作っておくのが、和食の考え方。

鶏の脂でねぎとしいたけを焼く - 鶏の脂で、ねぎとしいたけを焼く
鶏を切る
鶏を2cmほどの一口大に切る。
ここがポイント- 塊のまま焼いてから切る
切ってから焼くと、切り口が多くなって身がかたく締まる。塊のまま皮目を焼き、あとから一口大に切ると、身がふんわりしたまま煮える。吸い物の具なので、2cmほどの小さめに切ると、短い時間で火が通る。皮目を焼くかわりに、身に塩をして30分ほどおき、熱湯にさっと通して水に取る(霜降り)やり方もある。臭みと余分な脂が抜け、汁がより澄む。
- 塊のまま焼いてから切る
鶏と野菜を煮る
1の鍋に酒を入れて中火にかけ、沸く直前に昆布を取り出す。沸いたら鶏、ねぎ、しいたけを入れる。再び沸いたら弱火にし、浮いてきたアクと脂を網じゃくしでていねいにすくう。8〜10分推測静かに煮る。鶏に竹串を刺して、透明な汁が出ればよい。
ここがポイント- 吸い地は、汁25に薄口醤油1が目安。アクと脂はていねいにすくう
吸い物は汁そのものを味わうので、色と香りを生かす薄口醤油で味をつける。汁25に薄口醤油1、酒0.5の割合で、ちょうどよい味になる。このカードは鶏の皮目にも塩をしているので、薄口醤油は少し控えめにして、最後に味を見て塩で決める。アクと浮いた脂をていねいにすくい、ぐらぐら沸かさないと、汁が澄んだままになる。

アクと脂をすくって澄ませる - 吸い地は、汁25に薄口醤油1が目安。アクと脂はていねいにすくう
味をととのえる
薄口醤油を入れて味を見て、足りなければ塩でととのえる。
椀に三つ葉を入れ、熱い汁を注ぐ
三つ葉は3cm長さに切り、1人分ずつ椀に入れる。具と熱い汁を注ぎ、柚子の皮をのせる。
ここがポイント- 三つ葉と柚子は、椀に入れてから注ぐ
三つ葉は煮ると色と香りが消えるので、椀に入れておき、熱い汁を注いで、さっと火を通す。柚子の皮をひとかけのせると、香りが立つ。
- 三つ葉と柚子は、椀に入れてから注ぐ
- ちらし寿司やみぞれ煮の日の、軽い汁に
ちらし寿司の日に、鴨のお吸い物を添える店もある。豚汁のような具の多い汁とちがい、澄んだ軽い汁なので、ちらし寿司や炊き込みご飯、揚げ物をおろしで食べるみぞれ煮のような主菜の日に、献立を重くしない。
大人数で作るとき 20人前より多いとき
- 鶏の皮目を焼くのは、フライパンに並ぶ量ずつ。重ねると皮が焼けずに蒸れる
- 出すまで時間があくときは、汁を弱火で温めておく。ぐらぐら沸かすと、鶏がかたくなり、汁がにごる推測
- 鶏を長く煮るとかたくなるので、汁は前もって作っておき、出す前に鶏を入れて火を通してもよい推測
- 残ったら、冷まして冷蔵庫に入れ、翌日までに温め直して食べる推測





