料理人の教科書

まかない ・ 和 ・ 副菜

卵豆腐

卵と同じ量のだしをうすくちと塩で味つけし、泡立てずに混ぜてこす。流し缶に流して、最初だけ強火、あとは弱火でじっくり蒸し、冷やして切る。冷たいかけだしを張った、揚げ物の日の口休めになる卵の小鉢。

時間
50分
難しさ
ふつう
道具
蒸し器、流し缶、小鍋、ボウル、こし器、竹串、包丁
余り食材で
余った卵、カニカマ・えび・三つ葉(卵液に入れて)

材料 10人前

人数
人前

卵液

  • 卵400g約8個
  • だし(かつおと昆布)400ml

卵液の味

  • うすくち醤油10ml
  • 塩2g
  • みりん10ml

かけだし

  • だし(かつおと昆布)240ml
  • うすくち醤油30ml
  • みりん30ml

薬味

  • オクラ50g約5本
  • 塩(オクラ用)少々
  • しょうが(すりおろす)10g約1かけ

作り方

  1. かけだしと、卵液のだしを作って冷ます

    小鍋にかけだしの材料を入れ、ひと煮立ちさせて火を止める。別の小鍋で卵液用のだしを温め、うすくち醤油・塩・みりんを入れて、塩を溶かす。どちらもボウルに移し、氷水に当てて冷ます。

    ここがポイント
    • 味は液体の調味料でつけ、うすくちと塩で色を白く保つ

      塩や砂糖は卵になじみにくいので、先にだしに溶かしておく。うすくち醤油は色がうすく、卵の黄色がきれいに出る。うすくち醤油だけで味をつけると色がつくので、半分ほどは塩にする。卵液の味は、吸い物と同じくらいのうすさにして、味の強いかけだしと合わせる。

    • みりんのアルコールを飛ばして、角のない味にする。温かいだしを卵に入れると、卵の一部が先に固まり、なめらかにならない。

    2つのだしを氷水で冷やす
    2つのだしを氷水で冷やす
  2. 卵を溶いて、だしと合わせてこす

    蒸し器に湯を沸かしはじめる。卵は1個ずつ小さな器に割って、殻や血が入っていないか確かめてから、大きなボウルに移す。菜箸の先をボウルの底につけたまま左右に動かし、泡立てないように白身を切る。冷ました卵液のだしを加えて混ぜ、目の細かいこし器でこす。

    ここがポイント
    • 卵は泡立てずに白身を切り、こす。泡は消してから蒸す

      泡や切れていない白身が残ると、蒸したときに表面に穴があき、口当たりも悪くなる。こし器を通すと、殻やからざも取れて、なめらかになる。流し缶に流したあとの泡は、スプーンですくうか、バーナーやライターの炎を近づけると、すっと消える。

    卵液を目の細かいこし器でこす
    卵液を目の細かいこし器でこす
  3. 流し缶に流して、泡を消す

    流し缶に卵液を静かに流し入れる。深さは3cmほどにする。表面に浮いた泡は、スプーンですくうか、バーナーの炎を近づけて消す。上に紙タオルを1枚かぶせる。

    ここがポイント
    • 卵とだしは同じ量。茶碗蒸しよりだしを減らして、切れる固さにする

      卵豆腐は、茶碗蒸しとほとんど同じ卵液を、だしを少なくして固めたもの。切り分けて、豆腐のように冷やして出すので、角がくずれない固さが要る。だしを卵の1.5倍ほどまで増やすと、口当たりがやわらかくなるが、切るとくずれやすい。茶碗蒸しは、卵の3倍以上のだしで、器のまま食べる。

    • 泡が残ると、蒸したときに表面に小さな穴があく。紙タオルは、ふたから落ちる水滴が表面にあとをつけるのを防ぐ。

    流し缶に流して泡を消す
    流し缶に流して泡を消す
  4. 最初だけ強く、あとは弱火で蒸す

    蒸気の上がった蒸し器に流し缶を入れ、ふたを布巾で包んでかぶせる。強火で2分蒸し、弱火にしてふたを少しずらし、20分ほど蒸す推測。竹串をまん中に刺して、穴から卵液が浮いてこず、澄んだ汁が出れば蒸し上がり。卵液が浮いてくるときは、3〜5分ずつ足す。

    ここがポイント
    • 最初だけ強火、あとは80〜85℃ほどの弱火で、時間をかけて蒸す

      最初は流し缶と卵液が冷たいので、強火で温める。いきなり弱火にすると、固まるまでに時間がかかりすぎて失敗する。そのあとも強いままだと、卵液の中の水分が沸いて泡になり、「す」(小さな穴)が入ってかたくなる。90℃を超えると、すが入りやすい。型に流すと、縁は型から熱が伝わって早く固まり、まん中はゆるいまま残りやすい。弱火でゆっくり蒸すと、縁とまん中がそろって固まる。竹串は、いちばん固まりにくいまん中に刺す。刺した穴から卵液が浮いてくるうちは、まだ固まっていない。

    蒸し器で流し缶を蒸す
    蒸し器で流し缶を蒸す
  5. 冷やして、型から出して切る

    流し缶ごと冷水に当てて粗熱を取り、冷蔵庫で1時間以上冷やす。冷やしているあいだに、オクラは塩(オクラ用)で表面をこすって洗い、熱湯で30秒ほどゆでて氷水にとり、薄い小口切りにする。卵豆腐は、流し缶の中敷きを持ち上げて外し、水でぬらした包丁で人数分に切る。

    ここがポイント
    • かけだしは、だし8・うすくち1・みりん1で、冷たくして張る

      冷たいそばのつゆを、少しうすくしたくらいの味。卵豆腐そのものはうすい味なので、かけだしと一緒に食べてちょうどよくなる。おろししょうがが合う。オクラのような青い野菜を添えると、色がきれいになる。青柚子の皮をすりおろしてかけると、香りが立つ。

    • 卵豆腐は、冷えると締まって切りやすくなる。包丁をぬらすと、卵がくっつかず、切り口がまっすぐになる。

    冷やした卵豆腐を人数分に切る
    冷やした卵豆腐を人数分に切る
  6. かけだしを張って出す

    器に卵豆腐を入れ、冷たいかけだしを張る。おろししょうがとオクラをのせる。

このほかのポイント
  • 型がなければ、ラップで茶巾にして蒸す

    湯のみなどの器にラップを広く敷き、卵液を流して、てるてる坊主のように口をしぼって輪ゴムで留め、器ごと蒸す。丸い形になり、型で流すより火の入り方がそろうので、失敗が少ない。カニカマ・えび・三つ葉を卵液に入れてもよい。うにやじゅんさいをのせれば、店の一品になる。温め直して、吸い物の具にもできる。

  • 揚げ物やちらし寿司の日の、冷たい卵の小鉢に

    漬けだれのからあげのような揚げ物の横に置くと、冷たくてやわらかい口当たりで、口が休まる。ちらし寿司のような冷たいご飯の日にも合う。

大人数で作るとき 20人前より多いとき

  • 流し缶は、卵液の深さが3cmほどになる大きさを使う。深くなるほど、まん中が固まるまでに時間がかかる。多いときは、流し缶をふやす
  • スチコンなら、穴あきのホテルパンに流し缶を置き、上に網と紙タオルをのせて、さかさにしたホテルパンでふたをする。スチーム85℃で20分。温度が一定なので、すが入りにくい
  • 前の日に蒸して、型のまま冷蔵庫に入れておける。切るのは出す前にする
  • かけだしも前の日に作り、冷蔵庫で冷やしておく
  • 残ったら、型のままラップをして冷蔵庫に入れ、翌日までに食べる推測

この料理から学べること

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