
まかない ・ 和 ・ 汁
魚のあら汁
魚のあらの血をきれいに洗い、塩をふってから霜降りにして、水から煮る。だしはとらず、骨から出る旨みに大根とにんじんを入れ、最後に味噌を溶く。営業で出たあらで作る、具だくさんの温かい汁。
材料 10人前
あら
- 魚のあら(鯛・ぶり・すずきなどの頭・中骨・かま)900g
- 塩(下処理用。あとで洗い流す)10g
煮汁
- 水2L
- 酒100ml
- 生姜(薄切り)20g約2かけ
野菜
- 大根350g約1/4本
- にんじん150g約1本
- 長ねぎ100g約1本
味
- 味噌130g
- 醤油少々
作り方
あらの血を洗い落とす
大きなひれを切り落とす。頭はえらと内臓を除き、大きければ半分に割る。中骨の尾に近いほうの太い血の筋は、包丁で切り開く。大きなボウルの水の中で、頭の奥と骨のまわりの血を、ブラシでこすって洗う。5cmほどに切りそろえる。
ここがポイント- 生臭さのもとは血。えらと血の筋を残さず洗う
あらの臭みは、ほとんどが残った血から出る。頭の奥と、尾に近い中骨の太い血の筋は、包丁で開いてからブラシでこする。ひれはぬめりが多く味が出ないので落とす。時間があれば、洗ったあらを氷水に10〜30分つけると、血が抜けて臭みがほとんど消える。身の旨みも少し抜けるが、汁にするなら煮れば味は出る。

あらのえらと血をきれいに洗う - 生臭さのもとは血。えらと血の筋を残さず洗う
塩をふって15分おく
あらの水気を切ってバットに並べ、両面に塩をまんべんなくふり、15分おく。表面に水が浮いてくればよい。
ここがポイント- 塩をふってから霜降りにし、冷水で洗う
塩をふっておくと、臭みのある水分が表面に出てくる。それを熱湯にさっとくぐらせると、表面の汚れやぬめりが固まり、冷水の中でなでるだけで落ちる。魚の臭みの成分は水に溶けやすく、臭みのもとの菌は表面に多いので、熱湯と水洗いで両方を落とせる。熱湯に長くつけると旨みまで流れ出るので、表面が白くなったらすぐ冷水にとる。うろこは、ひれの根元や、ぬめりのない所に残りやすい。指でこすると、皮が縮んで残ったうろこが浮く。

あらに塩をふって水を出す - 塩をふってから霜降りにし、冷水で洗う
待つあいだに湯を沸かし、野菜を切る
霜降り用の鍋にたっぷりの湯を沸かしはじめる。まな板と包丁と手を洗ってから、大根とにんじんは5mm厚さのいちょう切りに、長ねぎは小口切りに、生姜は薄切りにする。
ここがポイント生の魚をさわったまな板や手のまま切ると、そのまま食べる長ねぎに、魚の菌がつく。

大根とにんじんはいちょう切りにする 霜降りにして、冷水で洗う
沸いた湯に水を少し足して、ぐらぐらしない湯にする。あらを網じゃくしで何回かに分けて入れ、10〜30秒、表面が白くなったらすぐに氷水にとる。冷水の中で指でなでて、残ったうろこ・血のかたまり・ぬめりを落とし、ざるにあげる。

霜降りしたあらを氷水で洗う 水から煮て、アクをすくう
寸胴に水・酒・生姜・あらを入れて、中火にかける。煮立ったら火を弱め、浮いてきたアクをお玉でまとめてすくう。ふたはしない。
ここがポイント- 水から煮て、出てきたアクをまとめてすくう
霜降りしたあらは、水から入れてゆっくり温度を上げると、身が煮えすぎず、汁に旨みがじっくり移る。アクは煮立ってすぐにまとめて出るので、そこでていねいにすくう。
- だしはとらない。骨から出る旨みで作る
あらから旨みがたっぷり出るので、かつおや昆布のだしはいらない。骨が少ないときは、昆布を入れて水から煮るか、だしを足す。骨の味を汁に出し切りたいときは、ねぎを入れた湯にあらを入れ、強火で煮立てるやり方もある。
煮立ちはじめは汁が濁るが、アクをすくうと澄んでくる。ふたをしないのは、魚の臭みの成分を湯気と一緒に飛ばして、鍋にこもらせないため。

煮立ったらアクをまとめてすくう - 水から煮て、出てきたアクをまとめてすくう
根菜を入れて15分煮る
大根とにんじんを入れ、汁の表面がふつふつと静かに沸く火加減で15分ほど煮る。大根に竹串がすっと通ればよい。
ここがポイントぐらぐら煮立てると、あらの身がくずれて汁が濁り、骨のまわりの臭みも出やすい推測。

大根とにんじんを入れて静かに煮る 味噌を溶き、ねぎを入れる
火を弱め、味噌をお玉にとって、汁で溶きのばしながら入れる。まず8割を溶いて味を見て、残りで整える。醤油を数滴たらし、長ねぎの半分を入れて、沸く直前で火を止める。
ここがポイント- 味噌は最後に入れて、煮立てない
味噌の香りは、湯気と一緒に飛びやすい。最後に溶き入れ、沸く直前で火を止めると、香りが残る。味噌はお玉の中で汁で溶きのばしてから入れると、かたまりが残らない。
- 仕上げに醤油を数滴。味噌は季節で変えてよい
味噌で味が決まったら、醤油を数滴たらすと、味が締まる。骨から出た旨みが濃いほど、塩気が少なくても満足できる。夏は赤味噌を多めにして少し塩気を強く、冬は白味噌や田舎味噌を多めにする店もある。白味噌は塩分が低いので、量を増やす。

味噌を溶いてねぎを入れる - 味噌は最後に入れて、煮立てない
あらと野菜を先に椀に入れ、汁を注ぐ
あらと野菜を先に椀に入れ、汁を縁までなみなみと注ぐ。残りの長ねぎをたっぷりのせる。
ここがポイント- 営業で出たあらと根菜の端で作り、主菜の横に置く
魚をおろしたときの頭・中骨・かまや、身の切れ端で作れる。高い魚のあらほど、いいだしが出る。大根やにんじん、ごぼうの端も具になる。豆腐を入れてもよい。焼いた鶏、唐揚げや揚げた魚、甘辛い丼、肉じゃがの横に、温かい汁として置く。豪快な汁なので、なみなみ注いで、ねぎをたっぷりのせるとおいしそうに見える。
- 営業で出たあらと根菜の端で作り、主菜の横に置く
- 味噌を使わず、塩や醤油で仕立ててもよい
鯛のような白身のあらなら、昆布と酒を入れて水から煮て、塩とうすくち醤油で味をつけると、澄んだ潮汁になる。さばの中骨なら、塩で仕立てて酢を少し落とすと、さっぱりする。湯をかけずに水でよく洗い、味噌を薄く溶いた水からあらを煮るやり方もある。塩気のある水から煮ると、身に水が入りにくく、冷めても臭みが出にくい。
大人数で作るとき 20人前より多いとき
- 霜降りは、あらを一度に入れると湯の温度が下がって白くならないので、何回かに分ける推測
- 寸胴は深いので、水から沸くまで時間がかかる。沸くまでは中火のままにして、アクは煮立ったときにまとめてすくう推測
- 根菜は、あらと一緒に水から入れてもよい。そのときはアクが野菜にからむので、すくう回数を増やす推測
- ぶりやさば・あじのような脂の多い魚のあらは臭みが出やすい。塩と霜降りをていねいにし、生姜を少し多めにする推測
- 出すまで時間があるときは、味噌を入れる前で火を止めておき、出す直前に温めて味噌を溶く。味噌を入れてから煮立てると、香りが飛ぶ
- 大きな骨や小骨が入る。椀に入れるときに大きな骨はよけ、骨があることを食べる人に伝える推測
- 残ったら、浅い容器に分けて早く冷まし、冷蔵庫に入れて翌日までに食べる。温め直すときは、沸く直前までしっかり温める推測






