料理人の教科書

まかない ・ 和 ・ 副菜

青菜のおひたし

短くゆでて絞った青菜を、半分の地でもんで水と入れかえてから、残りの地に浸す(2度漬け)。地が薄まらず、色と香りが残る。濃い主菜や揚げ物の横で、口を軽くする定番の小鉢。

時間
40分
難しさ
やさしい
道具
大きな鍋、小鍋、ボウル、浅いバット、こし器
余り食材で
かぶの葉、大根の葉、野菜の端(地のブイヨンに)

材料 10人前

人数
人前

青菜

  • ほうれん草か小松菜1kg約5束
  • 塩(ゆで湯用)適量

地

  • だし(かつおと昆布)750ml
  • うすくち醤油95ml
  • みりん95ml
  • 削り節(地の追いがつお用)8g

仕上げ

  • 削り節適量

作り方

  1. 地を作って冷ます

    小鍋にだし・うすくち醤油・みりん・削り節(地の追いがつお用)を入れ、弱めの中火にかける。ひと煮立ちしたら火を止め、こし器でこしてボウルに移し、氷水に当てて冷やす。冷めたら、半分を地洗い用、残りを本漬け用に分ける。

    ここがポイント
    • 地は、だし8・うすくち醤油1・みりん1にし、削り節を足して旨みを重ねる

      うすくち醤油は色がうすいので、青菜の緑がきれいに見える。白だしで作れば、もっと色のうすい地になる。削り節(かつお節)の旨みと醤油の旨みが重なると、うすい地でも満足感が出る。削り節は冷たい地に入れてから温めると、旨みがよく出る。

    • みりんのアルコールを飛ばして、角のない味にする。地が温かいと、浸したときに青菜に火が入り、色が悪くなる。

    追いがつおの地をこして冷やす
    追いがつおの地をこして冷やす
  2. 根元を洗って水に浸ける

    地を冷ましているあいだに、ほうれん草は根の先の細いひげだけを落とし、根元は残す。太い根元には十字の切り込みを入れる。ためた水の中で、根元の間の泥を爪でかき出して洗い、根元を水に10〜15分浸けて、葉をパリッとさせる。

    ここがポイント
    • 根元も食べられるので、捨てずに使う。根元の間には泥がたまりやすい。葉が水を吸ってみずみずしいと、熱が早く伝わり、ゆで時間が短くてすむ。十字の切り込みで、太い根元も葉と同じ時間で火が通る。

    根元を水に浸けて葉をパリッとさせる
    根元を水に浸けて葉をパリッとさせる
  3. 短くゆでる

    大きな鍋にたっぷりの湯(青菜の重さの5〜10倍)を沸かし、湯の重さの1%の塩を入れる。ふたはしない。冷水をボウルに用意しておく。青菜は1束ずつ、根元から入れて30秒ほどゆで、やわらかくなったら葉までゆっくり倒し入れる。湯が再び沸き、葉の色が鮮やかになって少し透き通ったら引き上げる(葉を入れて15秒ほど)。次の束は、湯が沸き直してから入れる。小松菜は、下の「ここがポイント」のとおり80℃の湯でゆでる。

    ここがポイント
    • たっぷりの湯で、ふたをせず短くゆで、すぐ冷水にとる

      緑の色のもとは、長く熱にあたると黄色っぽく変わる。湯が少ないと、青菜を入れたときに温度が下がってゆで時間がのびるうえ、ゆで汁に溶け出す酸も濃くなって、色が悪くなる。ふたをしなければ、その酸が湯気と一緒に逃げる。湯に入れる塩は、青菜にうっすら下味をつけ、甘みと旨みを引き出すため。うすい塩では、色を守る力はない。

    • 小松菜は、80℃の湯でゆっくりゆでる

      小松菜やかぶの葉のようなアブラナ科の青菜は、80℃ほどの湯でゆでると、中の温度が50℃前後の時間が長くなり、特有のかすかな辛みと香りが立つ。沸かした湯に氷を足して80℃にし、温度計で見ながら、茎から入れて2分、葉も沈めてさらに3分ゆでる。ほうれん草はえぐみが出るので、沸いた湯で短くゆでる。

    • 根元は葉よりかたいので、先に入れて時間差をつける。ゆですぎると、葉が溶けるようにやわらかくなる。

    たっぷりの湯に根元から入れる
    たっぷりの湯に根元から入れる
  4. 冷水にとって絞る

    ゆで上がったら、すぐ冷水にとる(氷水ならなお早い)。水の中で根元をそろえて束ねながら冷まし、冷えたら引き上げる。根元を上にして持ち、上から下へしごくように絞る。

    ここがポイント
    • 水気は、根元を上にして持ち、上から下へしごくように絞る

      水の中で根元をそろえて束ねてから絞ると、力が全体にかかり、切ったときに長さもそろう。根元を上にして持つと、水が重さで下へ落ちて絞りやすい。強く握りすぎると、葉がつぶれて食感が悪くなる。

    • すぐ冷やさないと、余熱で火が入り続け、色が悪くなって、やわらかくなりすぎる。水に長く浸けておくと、味が水に抜けて水っぽくなる。

    すぐ氷水にとって冷やす
    すぐ氷水にとって冷やす
  5. 地洗いをする

    束ねた青菜を、束の形のままバットに並べ、地洗い用の地を回しかける。ときどき返しながら、手で束を軽くにぎって地を吸わせる。1〜2分たったら推測、根元を上にして持ち、上から下へ軽く絞る。この地は捨てる。

    ここがポイント
    • 地は2回に分けて使う(2度漬け)

      ゆでて冷水にとった青菜は、中に水を吸っている。そのまま地に浸すと、青菜から出る水で地が薄まり、味がぼやける。半分の地を吸わせて軽く絞り、その地は捨てる(地洗い)。青菜の中の水が地と入れかわったところで、残りの地に浸す(本漬け)と、色がきれいなまま青菜の香りが立ち、地まで飲めるほどの味になる。1回で終わらせない、料理屋のひと手間。

    束のまま半分の地を吸わせる
    束のまま半分の地を吸わせる
  6. 切る

    4cm長さに切り、束の形のままにしておく。生の肉に使っていない、きれいなまな板と包丁を使う。

    ここがポイント
    • おひたしは、このあと火を通さずに食べる。生の肉の菌がつくと、そのまま口に入る。束の形のまま切ると、1人分ずつそろえて盛りやすい。

    束ねた青菜を4cm長さに切る
    束ねた青菜を4cm長さに切る
  7. 本漬けをする

    バットに青菜を束の形のまま並べ、本漬け用の地をかけて、冷蔵庫で30分〜1時間おく。地から出たところがあれば、途中で上下を返す。

    ここがポイント
    • 本漬けは、出す30分〜1時間前から

      醤油は弱い酸性なので、長く浸すと緑がくすむ。前の日に作るときは、ゆでて絞った青菜と冷ました地を、別々に冷蔵庫に入れておき、当日に地洗いと本漬けをする推測。

    青菜を並べて冷たい地に浸す
    青菜を並べて冷たい地に浸す
  8. 削り節をのせて出す

    汁気を軽く切って器に盛り、地を少しかけて、削り節(仕上げ用)をのせる。

このほかのポイント
  • かぶの葉のようにかための葉は、一晩漬けて中まで味をしみこませる

    かための葉は、短い時間では中まで地がしみない。地のだしは、野菜の端でとったブイヨンでもよい。野菜の甘みと旨みのある地になる。

  • 炒めてから地に浸すと、こくのあるおひたしになる

    青菜を強火でさっと炒め、熱いうちに冷たい地に浸す火加減と時間は推測。油のこくが加わり、ゆでたものより水っぽくならない。

  • 主菜と味の向きを変える一品にする

    焼き魚や味噌漬けの焼き物のように、塩や味噌がしっかりした主菜には、だしの地のおひたしを合わせると、味の向きが変わって最後まで飽きない。揚げ物や照り焼きの横に置いても、口が軽くなる。

大人数で作るとき 20人前より多いとき

  • ゆでる人と、冷やして絞る人を分けると早い。氷は多めに用意し、氷水がぬるくなったら足す
  • 地は全部の量を先に作って冷やしておく。足りなくなったら、同じ割合(だし8・うすくち醤油1・みりん1)で作り足す
  • 地洗いの地と本漬けの地は、先に分けておく。地洗いの地は、束を何回かに分けて浸すときも合わせて半分まで使い、使ったら捨てる
  • 本漬けは、出す時間から逆算して30分〜1時間前。早く浸しすぎると色がくすむ
  • 前の日にゆでておくときは、絞った青菜をバットに広げてラップをし、冷蔵庫へ。地とは合わせない推測
  • 出すまで冷蔵庫に入れておく。冷蔵で2日ほどもつが、日がたつと色がくすむ

この料理から学べること

合わせたい料理 この副菜を入れて、定食にするなら