料理人の教科書

まかない ・ 和 ・ 副菜

いんげんのごま和え

ごまを弱火でじっくり炒り直して半ずりにし、砂糖と醤油で衣にする。ゆでたいんげんは水にとらず、熱いうちに塩で下味をつけ、出す直前に衣を加えて和える。味噌や甘辛の主菜の横で、香ばしさが口を変える小鉢。

時間
30分
難しさ
やさしい
道具
大きな鍋、ざる、バット、フライパン、すり鉢とすりこ木、ボウル、ゴムべら
余り食材で
ほうれん草や小松菜の残り、ブロッコリー、にんじんの端

材料 10人前

人数
人前

いんげん

  • さやいんげん600g
  • 塩(下味)2g

ごまの衣

  • 白いりごま90g

衣の味

  • 砂糖30g
  • 濃口醤油25ml

仕上げ

  • 粉山椒お好みで

作り方

  1. 湯を沸かし、いんげんを切る

    大きな鍋にたっぷりの湯(いんげんの重さの5〜10倍)を沸かす。塩は入れない。そのあいだに、いんげんは端をそろえて並べ、へたを一度に切り落とす。筋があれば取り、4cm長さに切る。

    ここがポイント
    • 4cmは、一口で口に入り、のどにつかえない大きさ。切ってからゆでると、早く、むらなく火が通る。

    へたをそろえて切り落とし4cmに切る
    へたをそろえて切り落とし4cmに切る
  2. ごまを炒り直して、広げて冷ます

    湯が沸くまでのあいだに、乾いたフライパンにごまを入れて弱火にかけ、ゆすりながら2〜3分炒る推測。香りが立ち、3粒ほどはぜたら火を止め、余熱でひと混ぜして、すぐバットに広げて冷ます。

    ここがポイント
    • ごまは使う直前に、弱火でじっくり炒り直す

      ごま和えでいちばん大事なのは、ごまの香り。売っているいりごまも、時間がたつと湿気て香りが抜けている。炒りたてをすると、香りがまったくちがう。強火で急ぐと、表面だけ焦げて苦くなり、中まで香りが出ない。3粒ほどはぜたら火を止め、余熱で仕上げる。炒ったらすぐバットに広げる。フライパンに入れたままだと、余熱で焦げる。

    弱火でゆすりながらごまを炒る
    弱火でゆすりながらごまを炒る
  3. ゆでる

    湯が沸いたら、いんげんを入れる。湯が再び沸いてから1〜2分ゆで、1本かじってみて、少し歯ごたえが残っていれば、ざるに上げる。

    ここがポイント
    • いんげんは、とれてからの日数や太さで、かたさがちがう。時間だけで決めず、食べて決める。

    沸いた湯でいんげんをゆでる
    沸いた湯でいんげんをゆでる
  4. 広げて塩をふり、冷ます

    湯を切ったら、すぐバットに1段に広げる。熱いうちに塩(下味)を全体にふり、湯気と水気をとばしながら冷ます。うちわであおぐと早い。冷めたら、和えるまで冷蔵庫に入れる。

    ここがポイント
    • ゆでたいんげんは、熱いうちに塩で下味をつける

      下味がないと、口の中で、ごまの衣といんげんの味がばらばらになる。いんげんにうっすら塩味があると、それが衣とのつなぎ役になる。熱いうちにふると、冷めるあいだに塩が中まで入り、いんげんの味が濃く感じられる。料理屋では、海水より濃い5%ほどの塩水でゆでて、下味をつけることもある。ゆで湯に入れるうすい塩には、緑の色を守る力はない。この作り方では、ゆで湯に塩を入れず、ゆでたあとにふる塩で下味の量を決める。

    • 水にとらず、バットに広げて冷ます

      いんげんは水にとると、水を吸う。その水が衣を薄め、水っぽい和え物になる。ざるに上げたまま山にしておくと、余熱で火が入り続け、色が悪く、やわらかくなる。1段に広げると、早く冷めて、湯気と一緒に水気も抜ける。色をもっと鮮やかに残したいときは、氷水にとってすぐ上げ、紙タオルで水気をよくふいてから下味をつけてもよい。

    ゆでたいんげんを広げて塩をふる
    ゆでたいんげんを広げて塩をふる
  5. ごまの衣を作る

    すり鉢の下に、ぬらして固く絞ったふきんを敷く。冷ましたごまを入れ、粒が半分ほど残るまでする。砂糖を加えてすり混ぜ、醤油を加えて、ゴムべらで混ぜる。

    ここがポイント
    • ごまは、半ずりで止める

      すりつぶしたごまは、口に入れた瞬間に香る。粒のまま残ったごまは、かむたびに香る。粒が半分ほど残るところで止めると、両方の香りが出る。すりすぎると、ごまから油がにじみ出てペーストのようになり、練りごまで作ったのと変わらなくなる。しっとりして、粒が半分見えるくらいが目安。

    • すり鉢は、ぬれぶきんの上で。すりこ木は、上の手を軸にして回す

      すり鉢の下に、ぬらして固く絞ったふきんを敷くと、すり鉢がすべらない。すりこ木は、上の手で頭を軽く押さえて軸にし、下の手で大きく回す。すり鉢とすりこ木は、乾いたものを使う。すり鉢がなければ、フードプロセッサーで短く何回かに分けて回し、粒が半分残るところで止める推測。

    ごまを半ずりにして衣を作る
    ごまを半ずりにして衣を作る
  6. 出す直前に、いんげんに衣を加えて和える

    ボウルにいんげんを入れ、衣を加えて、ゴムべらで底から返すようにさっくり和える。器にこんもりと入れ、お好みで粉山椒をふる。

    ここがポイント
    • 衣は、いんげんに加える。和えるのは出す直前

      衣の中にいんげんを入れていくと、衣が足りなくなったり、余ったりしやすい。いんげんのほうに衣を加えれば、からみ具合を見ながら量を決められる。和えてから時間がたつと、醤油の塩気でいんげんから水が出て、衣が水っぽくなる(1時間ほどで、はっきりわかる)。量が多いときは、大きなゴムべらで底から返すと、少ない回数でむらなくからむ。

    いんげんに衣を加えて和える
    いんげんに衣を加えて和える
このほかのポイント
  • 黒ごま・山椒・からしで、ちがう味にできる

    黒ごまは、白ごまよりこくと香りが強く、いんげんの青い香りによく合う。粉山椒やからしを少し足すと、香りが引きしまる。甘辛く炊いた煮物の横では、ごま和えに山椒の芽を添える店もある。くるみやナッツをすって、衣にしてもよい。

  • 味噌や甘辛の主菜の横に置く

    ごま和えは、香ばしく、さっぱりした小鉢。味噌に漬けて焼いた肉、甘辛い煮物、魚の照り焼き、生姜焼きの横に置くと、主菜の濃い味のあいだで口が変わる。おひたしと並べると、献立がさらに軽くなる。辛い中華の主菜の横には、ごまのサラダを出す店もある。

大人数で作るとき 20人前より多いとき

  • ゆでるときは、一度にたくさん入れない。湯の温度が下がって沸き直すのが遅れ、ゆで時間がのびて色が悪くなる。湯がすぐ沸き直す量ずつ、何回かに分け、湯が沸き直してから次を入れる
  • ゆでたいんげんは、バットを何枚か使って1段に広げる。重ねると、余熱で色が悪くなる
  • ごまは、フライパンに1段に広がる量ずつ炒る。重なると、炒りむらが出る推測
  • すり鉢に入りきらないときは、何回かに分けてすり、最後に合わせて味を見る
  • ゆでたいんげんと衣は、別々に冷蔵庫に入れておく。出す時間がずれるときは、出す分ずつ和える
  • 和えたものは、その日のうちに食べる推測

この料理から学べること

合わせたい料理 この副菜を入れて、定食にするなら