料理人の教科書

まかない ・ 和 ・ 汁

芋煮

塩もみして下ゆでした里芋と、手でちぎったこんにゃく、ごぼう、きのこを、昆布の水と酒と砂糖で煮る。里芋がやわらかくなったら牛肉を入れてアクを取り、醤油と太めのねぎで仕上げる。砂糖を効かせた甘辛い、山形の具だくさんの汁。

時間
1時間
難しさ
やさしい
道具
寸胴鍋、下ゆで用の鍋、ざる、大きなボウル、網じゃくし、お玉、包丁、まな板、ピーラー
余り食材で
牛肉の切り落としや脂の多い端、半端な里芋、ごぼうやきのこの残り、ねぎの青いところ

材料 10人前

人数
人前

具

  • 里芋(皮をむいたもの)800g約16個
  • 塩(里芋をもむ)少々
  • こんにゃく250g約1枚
  • ごぼう100g約3/4本
  • まいたけかしめじ200g
  • 牛こま切れ肉(バラが少し入るとよい)400g
  • 長ねぎ200g約2本

煮汁

  • 水2L
  • だし昆布10g
  • 酒100ml
  • 砂糖60g

味

  • 濃口醤油140ml

作り方

  1. 昆布を水に浸ける

    寸胴鍋に水と昆布を入れて、30分ほどおく推測。

  2. 里芋の皮をむき、塩でもんで洗う

    里芋は水で泥を洗い、乾かしてから皮をむく。大きいものは半分に切る。ボウルに入れて塩をまぶし、ぬめりが出るまでもんでから、水で洗い流す。

    ここがポイント
    • 里芋は塩でもんで洗い、下ゆでしてぬめりを落とす

      里芋のぬめりがそのまま汁に出ると、汁がにごり、とろみがついて重くなる。塩でもむとぬめりが浮いてくるので、水で洗い流し、さらに水から下ゆでして落とす。下ゆでしたら水に落とさない。冷めるあいだに水を吸って、水っぽくなる。里芋はぬるぬるとすべるので、洗って表面を乾かしてから皮をむくと、むきやすい。煮るときも、ぐらぐら煮立てると煮くずれるので、静かに煮る。

    里芋を塩でもんでぬめりを出す
    里芋を塩でもんでぬめりを出す
  3. ほかの具を用意する

    こんにゃくは手で一口大にちぎる。ごぼうは皮を包丁の背でこそげ、ピーラーでささがきにする。まいたけは手でほぐす。長ねぎは、白いところを2cm幅の斜め切りに、青いところを薄い斜め切りにする。

    ここがポイント
    • こんにゃくは手でちぎる

      包丁で切るより、手でちぎったほうが表面がでこぼこして広くなり、煮汁がよくしみる。下ゆでするとこんにゃくの臭みが抜ける。下ゆでのかわりに、油で軽く炒めて臭みを飛ばす店もある。その場合は、里芋も一緒に軽く炒めると味がしみやすい。

    • ねぎは太めに切り、最後に入れる

      ねぎは太めに切ると、煮くずれず、甘みとかみごたえが残る。最後に入れて軽く煮る。青いところも薄く切って一緒に入れれば、むだがない。

  4. 里芋・こんにゃく・ごぼうを下ゆでする

    鍋に里芋・こんにゃく・ごぼうを入れ、かぶるくらいの水を入れて中火にかける。沸いたら3分ほど推測ゆで、ざるに上げて、水でさっとぬめりを洗う。

  5. 昆布の水で煮る

    1の鍋に、下ゆでした具とまいたけ、酒、砂糖を入れて中火にかける。沸いたら弱火にし、15分ほど煮る。里芋に竹串がすっと通ればよい。昆布を取り出す。

    ここがポイント
    • 砂糖をしっかり効かせた甘辛が、山形の芋煮

      牛肉と醤油の芋煮は、砂糖をしっかり入れた甘辛い味が持ち味。砂糖は先に入れて里芋に甘みを含ませ、醤油は里芋がやわらかくなってから入れる。醤油は最後に味を見て足す。顆粒のだしを少し足すと、味が締まるという料理人もいる。

    里芋とこんにゃくを昆布の水で煮る
    里芋とこんにゃくを昆布の水で煮る
  6. 牛肉を入れて、アクを取る

    牛肉をほぐしながら入れる。再び沸いたら、浮いてきたアクを網じゃくしで取る。減った分の水を足す。

    ここがポイント
    • 牛肉は、里芋がやわらかくなってから入れる

      牛肉を最初から入れて長く煮ると、かたくなる。里芋がやわらかくなってから入れて、さっと火を通す。入れたあとに浮くアクは取ると、汁の臭みが残らない。安い切り落としでよいが、バラなど脂の多いところが少し入ると、汁にこくが出る。

  7. 醤油とねぎで仕上げる

    醤油を入れ、長ねぎを加えて、3分ほど推測静かに煮る。味を見て、足りなければ醤油で調える。

    醤油とねぎを入れて仕上げる
    醤油とねぎを入れて仕上げる
  8. 熱いうちに出す

    汁椀に、具が多めになるように入れる。

    ここがポイント
    • 一度冷ますと、味がしみる

      芋煮は、一度冷まして温め直すと、里芋に味がしみておいしくなる。前の日に作っておいてもよい。

このほかのポイント
  • 肉なしでも、豚と味噌でもよい

    肉を使わない日に、れんこんの南蛮と芋煮を組み合わせ、肉や魚がなくても満腹になるまかないにした店もある。牛肉を入れないときは、きのこやごぼうを多めにし、昆布でうまみを足す推測。山形の日本海側では、豚肉と味噌で作る芋煮もある。

大人数で作るとき 20人前より多いとき

  • 山形の大きな芋煮会では、1人分に里芋100gほど、牛肉40gほどを使う。汁ものとして出すなら、このカードくらい(里芋80gほど)でよい
  • 里芋は下ゆでするときにふきこぼれやすいので、大きめの鍋でゆでる推測
  • 前の日に作っておくと、味がしみる。冷ますときは、浅い容器に分けて早く冷まし、冷蔵庫に入れる推測
  • 温め直すときは、弱火で底から混ぜながら。里芋がくずれないように、強くかき混ぜない推測

この料理から学べること

合わせたい料理 この汁を入れて、定食にするなら