
やり方包丁と切り方
砥石の手入れと面直し
- 砥石は、包丁を研ぐたびに真ん中がへこむ。へこんだまま研ぐと刃の形がくずれるので、研ぐ前に毎回平らにもどす(面直し)
- 平らになったかは、鉛筆で引いた格子の線が全部消えたかで確かめる
- 使い終わったら汚れを流し、日かげでゆっくり乾かす。お湯や急な乾燥は、砥石が割れる原因になる
- 道具
- 面直し用の砥石(なければ同じ砥石をもう1本)、鉛筆、水を張ったバット、刷毛かスポンジ、砥石台か濡らしたふきん
用意するもの
- 面直し用の砥石:ふつうの砥石より硬く作られていて、砥石の面を削って平らにする専用の道具
- 同じ砥石をもう1本(面直し用の砥石がないとき):2本の面をこすり合わせて、おたがいを平らにする
- 鉛筆:砥石の面に線を引き、どこが削れていないかを見えるようにする
- 水を張ったバット:面直しをする砥石に水を含ませる
- 刷毛かスポンジ:使い終わった砥石の研ぎ汁を流す
- 砥石台か濡らしたふきん:面直しのあいだ砥石が動かないようにする
手順
- 面直しをする砥石に、水を十分に含ませる。水を吸うタイプは泡が出なくなるまで浸す。水をかけるだけで使うタイプは、表面を水でぬらす

砥石に水を含ませる。泡が出なくなるまで沈めておく - 砥石を砥石台か濡らしたふきんの上に置き、動かないようにする
- 砥石の研ぐ面に、鉛筆で格子の線(たて線と横線のます目)を引く

鉛筆で格子を引く。たてと横に、面の全体に - 面直し用の砥石を上にのせ、水をかけながら、前後や円をかくように全体をこする。端だけ、真ん中だけにならないよう、面全体を同じようにこする

面直しの手元 - ときどき水で流して、鉛筆の線を見る。線が残っている所は、まわりより低い所。線が全部消えるまで続ける

こすっている途中。線が残っている真ん中が、まわりより低い所 - 面直し用の砥石がないときは、同じ砥石を2本用意し、面どうしを合わせてこすり合わせる。どちらの面も線が消えるまで続ける

同じ砥石2本をこすり合わせる - 包丁を研ぎ終わったら、砥石の研ぎ汁と鉄の粉を、刷毛かスポンジと水で流す。洗剤は使わない

研ぎ汁を水と刷毛で流す。洗剤は使わない - 砥石の水気を切り、風通しのよい日かげに置いて、数日かけて中まで乾かす。直射日光・暖房の前・扇風機の風に当てない

風通しのよい日かげで、数日かけて乾かす - 完全に乾いてから、湿気の少ない場所にしまう。水に浸けっぱなしにしない
なぜそうなるのか
- 包丁は砥石の真ん中あたりを何度も通るので、そこだけが多く削れて、面が舟の底のようにへこむ。へこんだ面で研ぐと、刃のまっすぐな所が浮いて当たらず、刃の形が丸くゆがむ。毎回平らにもどせば、刃はいつも同じ形で研げる

- 鉛筆の線は、高い所からこすれて消えていく。最後まで残る線の場所が、いちばん低い所。全部消えれば、面の高さがそろった証拠になる
- 水を吸った砥石は、外側から先に乾く。急に乾かしたりお湯で急に温めたりすると、外と中で縮み方や伸び方が変わり、その差で割れやひびが入る
よくある失敗
- へこんだのに気づかず研ぎ続ける → 刃の形が丸くゆがみ、切るときにまな板に当たらない所ができる → 研ぐ前に毎回、鉛筆の線で確かめる
- コンクリートやアスファルトでこすって平らにする → 砥石の面があれて、包丁に深い傷がつく → 面直し用の砥石か、同じ砥石どうしで直す
- 面の一部だけを強くこする → 今度はそこだけ低くなる → 面全体を同じ力でこすり、線の消え方を見ながら進める
- 濡れた砥石を日なたや暖房の前で乾かす → ひびが入る、割れる → 日かげで数日かけて乾かす
- 洗剤で砥石を洗う → 砥石に洗剤がしみこみ、研ぎ心地が悪くなる推測 → 水と刷毛だけで流す
- 濡れたまま箱やケースにしまう → 砥石や箱が傷み、かびることもある推測 → 完全に乾いてからしまう
安全の注意
- 面直しのあいだも、砥石は砥石台か濡れたふきんの上に置き、動かないようにする。2つの砥石をこすり合わせるときは、指をはさまないように砥石の横をしっかり持つ
- 砥石にお湯をかけない。急な温度の変化でひびが入り、研いでいる途中に割れると危ない
- ひびの入った砥石は使わない。小さなひびでも、使ううちに奥まで広がる
- 砥石は重くて割れやすい。棚の高い所に置かず、落ちない低い場所にしまう推測
プロの目安
- 鉛筆の格子の線が、砥石の面の端から端まで全部消えていれば平ら
- 包丁を1本研いだら面直しをする、を習慣にする。研ぐ前と研いだあとのどちらかで必ず1回
- 研いでいる途中に、刃が砥石に当たる感じが場所によって変わったら、面がへこんできたしるし。そこで手を止めて直す
