
やり方道具の手入れ
鉄のフライパンの裏の焦げを焼き切る
- 鉄のフライパンの裏に、かさぶたのように重なった焦げは、洗剤や金たわしでは落ちない。火で焼いて炭にしてから削る

やる前:裏に、かさぶたのような焦げが重なっている - フライパンをふつうの向きで火にかけ、焦げた裏側を煙が出なくなるまで焼く。冷めたら裏返して金属のへらで削り、最後に油ならしをし直す
- やるのは業務用のガスコンロだけ。家庭用のガスコンロ、IH、カセットコンロではやらない
- 道具
- 業務用のガスコンロ、金属のへら(スクレーパー)、マイナスドライバー、金たわし、クレンザー、厚手の手袋
用意するもの
- 業務用のガスコンロ:強い火を長く当てられる。家庭用のガスコンロは、熱くなると自動で火が消える
- 金属のへら(スクレーパー):炭になった焦げを、割るように削る。細かい所はマイナスドライバーが使いやすい
- 金たわし:へらで取りきれない焦げを落とす
- クレンザー:最後に、残った汚れと炭の粉を洗い落とす
- 厚手の手袋:焼いたあとのフライパンは、取っ手まで熱い
- 焼いてよいのは、コーティングのない鉄のフライパンだけ。フッ素樹脂加工・ホーロー・アルミは焼かない
手順
- コンロのまわりから、紙・布巾・油など燃えるものをどける。換気扇を回す

コンロのまわりに、燃えるものを置かない - フライパンをふつうの向きで、火の上にのせる。焦げた裏側に、火が直接当たる

ふつうの向きでのせると、焦げた裏側に火が直接当たる - 強めの火で焼く。縁や横の焦げにも火が当たるように、ときどき位置をずらす

縁の焦げにも火が当たるように、位置をずらす - 煙が出なくなるまで焼く。その間、そばを離れない

焦げの中の油が燃えている間は、煙が出る 
煙が出なくなったら、炭になった合図 - 火を止めて、そのまま冷ます。水はかけない

火を止めて、水をかけずに冷ます - 冷めたら裏返して、裏の焦げを見る。茶色い所が残っていたら、2〜5をくり返す

黒い炭になった所は削れる。茶色い所は、まだ炭になっていない - 金属のへらで焦げを削る。細かい所はマイナスドライバーで削る

炭になった焦げは、へらで割るように削れる 
細かい所は、マイナスドライバーで削る - 金たわしに水をつけてこすり、お湯とクレンザーで洗う

金たわしとクレンザーで、炭の粉を洗い落とす - 火にかけて水気を飛ばし、油ならしをし直す

水気を飛ばして、油ならしをし直す
なぜそうなるのか
- 裏の焦げは、たれた油や煮汁が熱で何度も焼きつき、層になったもの。表面を洗っても、下の層までは届かない
- 強い火で焼くと、焦げの中の油が燃えて、乾いた炭になる。炭はもろいので、へらで割るように削れる
- 煙は、まだ燃える油が残っている印。煙が止まったら、炭になった合図。茶色い所は、まだ炭になっていない
- 削る前に水をかけないのは、乾いた炭が水を吸うと、またねばって削りにくくなるから
- 鉄は高い熱に強いので、焼いても使える。そのかわり、内側の油の膜も焼けてなくなるので、油ならしがいる
よくある失敗
- 煙が出ているうちに火を止める → 茶色い焦げが残って削れない → 煙が出なくなるまで焼く
- 熱いうちに水をかける → 炭が水を吸って取れにくくなる → 自然に冷めるのを待つ
- 縁に火が当たっていない → 縁だけ焦げが残る → 位置をずらして、縁にも火を当てる
- 油ならしをしないで使う → さびたり、食材がくっついたりする → 洗って乾かしたら、すぐ油ならしをする
安全の注意
- 家庭用のガスコンロではやらない。2008年10月からの家庭用のガスコンロは、全部の火口に、なべ底が約250℃になると自動で火を消す仕組みがついている。この仕組みを止めて使わない
- カセットコンロでは、ぜったいにやらない。大きな鍋や鉄板でコンロを覆うように使うと、ガスボンベが熱くなって破裂することがある
- IH ではできない
- 焼いている間は、そばを離れない。燃えた焦げのかすが下に落ちて、まわりの物に燃えうつることがある
- 取っ手と本体のすきまにたまった油がしみ出して、燃えることがある。木や樹脂の取っ手には火を当てない
- 焼いたあとのフライパンは、取っ手まで熱い。厚手の手袋で持ち、冷めるまで人が触らない場所に置く
- 煙がたくさん出るので、換気をする
プロの目安
- 煙が出なくなり、茶色い所が残っていない
- 削ったあと、指でなでてデコボコがなく、なめらか

仕上がり:裏のかさぶたがなくなり、なめらか - かさぶたのように厚くなる前に、定期的にやる
コンロの五徳とバーナーも同じ考え方
- こびりついた汚れを焼いて炭や灰にすると、もろくなって落としやすい。この考え方は、コンロの掃除でも同じ
- ある中華料理店では、バーナーにこびりついた油やかすを強い火で焼いて灰にし、工具で裏返して反対側も焼く。冷めてから、サンドたわしやスクレーパーでこすって、水で流す
- 家庭用のコンロや、ホーロー・塗装の五徳ではやらない。ホーローは急に冷やすと、ひびが入る
- 業務用のコンロでも、部品の外し方や掃除のしかたは、取扱説明書に従う。ガスの元栓を閉め、冷めてから外す
- バーナーの穴が汚れでつまると、火が赤くなり、不完全燃焼で一酸化炭素が出る。炎が赤い、鍋にすすがつく、火がつきにくいときは、メーカーに点検を頼む
- 穴があいたり、溶けたりした五徳は、新しいものにかえる
